アスベストが使われている家庭用品は危険? どんな製品に使われていた?

アスベストが使われている家庭用品 アスベスト

アスベストは建物の建築に使われている素材のイメージがある方も多いのではないでしょうか?
ですが、実はアスベストは家庭用品にも幅広く使われていた素材なのです。現在では使用されていませんが、製造年が古い家庭用品ではアスベストが使用されていることがあります。
今回は家庭用品のアスベストについて紹介します。

アスベストは家庭用品にも使われていた

アスベスト含有家庭用品とは

アスベストは、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電、掃除機やアイロンといった小型家電など、なじみのある製品にも多く使われていました。
その他にも、ガス・石油製品などにも使われていることがあるようです。主な製品については、経済産業省が発表している以下の項目を参照にしてください。

【電気製品】
トースター/オーブントースター/オーブンレンジ/電気コンロ/電気ポット/クッキングカッター
/ジューサー/ミキサー/電磁調理器/冷蔵庫/ミシン用フットコントローラ/洗濯機/アイロン
/掃除機/エアコン/こたつ/電気ストーブ/照明器具/スタンド/ヘアドライヤー/電気温水器/
換気扇 等
【ガス・石油製品】
ファンヒーター/ストーブ/ボイラー(給湯、暖房)/温水機器/湯沸器/ガスオーブン
/ガスコンロ 等
【その他】
自転車/金庫/釣り用リール 等

※環境省「アスベスト含有家庭用品の廃棄について」より引用

アスベスト含有家庭用品にはどんなものがある?

アスベストが使われているのは、製品のごく一部であることがほとんどです。
その多くは、製品内部の接合部分にある「パッキン」に使用されています。特に冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどがこの使用法を採用していたようです。その他には、ドライヤーのヒーター基盤、オーブントースターのコード、ミキサーなどのモーター内部にも使われていた例があります。

アスベスト含有家庭用品は危険?

通常の仕様の範囲内なら安全

アスベストが使われている製品であっても、家庭内で通常使用する場合は心配ないと言われています。他の材料と混合して固められているもの、外部に露出しない形で使われているものがほとんどのためです。ただし、電気火鉢については付属の灰にアスベストが含まれており、飛散する可能性もあります。ご家庭にある場合は、使用しないようにしましょう。

廃棄するにはどうすれば良い?

アスベストが使われている製品を処分する際は、他のゴミと分けて適切に処理する必要があります。
必ず各自治体に問い合わせをし、指示に従ってください。
アスベストはアルカリにも熱にも強いという特性があり、安全に処理することが難しいと言われています。壊したり分解したりすれば飛散する可能性があり、非常に危険です。独自の判断で処分することは絶対にやめましょう。

アスベストが使われているか調べる方法

アスベストが使われているか判断するためには、メーカーに確認するのが確実です。製造年や製造番号を確認し、直接問い合わせてみてください。メーカーのHPでは、アスベストが使われている製品を一覧にしてくれていることもあります。連絡先がわからない場合は、経済産業省のHPで確認するか、問い合わせをしてみてください。

家庭用品にアスベストが使われていた理由

アスベストには、引っ張りに耐えられる高い抗張力の他、不燃性や耐熱性、耐久性や絶縁性といった優れた特徴があります。経済性にも優れていたため、建材や工業製品だけでなく、家電などの家庭用品にも広く使用されてきました。単体でこれほどの特徴を持っている物質は他にありません。また、代替となる物質も長らく開発できなかったこともあり、多くの家庭用品で使用されてきました。

しかし、その特徴ゆえに健康へのリスクがあることがわかりました。吸い込んだアスベストが肺の中に入ると組織に刺さってしまい、15~40年という長い潜伏期間を経て、肺がんや悪性中皮腫などの病気を引き起こす可能性があるのです。そのため、平成18年9月以降日本では、0.1%を超えて石綿(アスベスト)を含む製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。

まとめ

アスベスト含有製品は、家庭内で通常使用するだけであれば過剰に心配する必要はありません。
ただ、処分にあたっては注意が必要です。古い家庭用品を使用している方は、一度確認してみると安心かもしれません。

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