アスベスト解体工事の種類にはどんなものがある?解体工事の流れについても解説

アスベスト解体工事の種類・工事の流れ アスベスト

アスベストが使用されている建物を解体する場合には、きちんとした手順を踏んだ工事を行わなければいけません。アスベスト除去工事にはいくつか種類があります。
今回は、アスベストの解体工事の種類や工事の流れについて解説いたします。

アスベストが使用されている主な場所

アスベストは耐熱性、熱絶縁性、耐腐食性、耐摩耗性などに優れた性質を持っています。そのため、2006年の法改正によって含有率0.1%を超える製品の製造・使用が全面禁止になるまでは、その利便性の高さから建物の至る所に使用されてきました。

外壁

窯業系サイディングや建材複合金属系サイディングといったサイディング外壁や、モルタル、波板、下地・仕上げ塗材などの素材にアスベストが使われていました。

屋根瓦

セメント瓦など粘土以外の屋根瓦にアスベストが混ぜられていることが多いです。また、屋根瓦と同様に屋根材としてスレートもよく用いられましたが、こちらも高い確率でアスベストが含まれています。

内壁

内装では、壁に張り付けるボード類や壁紙、床に敷くビニル床タイル、ビニル床シート、それぞれの下地などによく使われています。

配管

配管には保温材としてアスベスト含有建材が使われていることがあります。配管保温の必要な工場や倉庫で見つかるケースが多く、住宅ではあまりみられません。

天井など

天井やそれにつながっている壁、柱には用途によって様々なアスベスト含有建材が使われました。
事務所、病院、公共施設などに多く使用されているせっこうボード、風呂場やトイレの天井には湿度による変化が少ないスレートボード、講堂や音楽室ではロックウール吸音天井板も使われました。

アスベストの除去工事の種類

アスベスト対策には、除去、囲い込み、封じ込めの3つの工法があります。アスベストを含む建材を取り除く除去工法に対して、囲い込みや封じ込めではアスベストを残したままリスクを低減させる工法になります。

※なお、囲い込み及び封じ込め工法は建物解体前の一時的な対策で、解体時には別途除去作業が必要です。

囲い込み

囲い込みとは文字通り、アスベストが吹付けられている天井、壁などを板状材料などで囲い込んで密閉状態を作る工法です。隙間を完全になくすことでアスベストの飛散や損傷を防止対策になります。

封じ込め

封じ込めは、薬剤を使ってアスベストを固定化し飛散を防ぐ工法です。アスベストを含む建材の表面に固定剤を吹きかけて塗膜を作ったり、アスベストを含む建材の内部に固化剤を浸透させ内側から固めたりする対策になります。

アスベスト除去工事の流れ

建物にアスベストが使われている場合、通常の解体工事より手間や費用がかさみます。さらに2020年からは法改正によってアスベスト濃度の低い(0.1%)建材にも規制が拡大しました。

建物の事前調査

建物を解体する際には事前調査が行われます。特にアスベストが使われていると、作業手順や費用なども変わるので入念な調査をしなければいけません。

解体業者が調査を行い、建物の所有者に結果を報告することが義務となっています。
2020年5月に可決された法改正により2022年からは都道府県等への報告も必要となっています。

また、工事場所に調査内容を掲示することも必須になっています。
調査結果によっては、都道府県知事や管轄の労働基準監督署に必要書類の届出が必要な場合があります。

近隣住民への告知

円滑に工事を行えるよう解体作業前には、立て看板などを見えやすい位置に設置して近隣住民への告知をします。告知では工事概要をはじめアスベストの有無や暴露止措置、立ち入り禁止などの諸々の記載も必要です。

足場の組み立て

工事前には足場が組み立てられますが、同時にアスベストの飛散を防ぐための養生シートの設置も行われます。建材のアスベスト濃度によっては、作業場所の隔離、集塵・排気装置の設置なども必要です。その他に、騒音を防ぐための防音パネルを設置することもあります。

アスベストの除去、袋詰め

アスベストの除去は有害な物質を扱うことになります。アスベスト濃度に対応した防護服や防じんマスクを着用したり、散水しながら手作業で丁寧に取り除いたりするなど危険度に応じた対策が必要です。

建物から取り除かれたアスベスト廃棄物は、アスベストが大気中に浮遊するのを防ぐためにプラスチック袋に袋詰めします。さらに袋詰めの際にプラスチック袋に付着した粉じんを除去し、その上からもう一枚プラスチック袋をかぶせ二重に密封するという厳重な処理をします。

周辺のアスベスト除去作業

解体工事が終了した後は、アスベストが残留しないよう丁寧に作業場所の清掃をします。また、作業員が使用した器具や防護具などもアスベストの除去など適正な処理を施します。

まとめ

優れた性能を持つことから、一時は「奇跡の鉱物」として注目を浴びたアスベスト。多用されたこともあり、使用が禁止された今でもあらゆる場所に存在しています。該当レベルが3だとしても、処分する時期がくれば適切に処置することが求められます。

「アスベストが含まれているかわからない」「どの程度アスベストが含まれているのか知りたい」という時は、専門機関への成分分析を依頼しましょう。

アスベストの定性・定量分析は株式会社IMICにお任せください。
事前調査及びアスベスト分析は検査分析のノウハウを持った建築物石綿含有建材調査者にてご対応いたします。
結果は最短10日前後でわかるので、処理工事の計画が立てやすくなりますよ。

分蔵検蔵でアスベスト分析・事前調査するならこちら

コメント