低濃度PCB廃棄物の処理の流れとは?処理の前にまずは測定を!

PCB

低濃度PCB廃棄物は正しい手順を踏んで処理をしなければなりません。
処理の方法は低濃度PCB廃棄物の種類によってそれぞれ異なります。処理の前にはまず低濃度PCB廃棄物の測定をしなければなりませんので、低濃度PCB廃棄物を所持されている方は注意が必要です。

今回は低濃度PCB廃棄物の処理の流れについて紹介します。

低濃度PCB廃棄物の種類

低濃度PCB廃棄物は大きく3種類に分類され、環境省のガイドライン 第1章 総則にて定義されています。

低濃度PCB汚染物

低濃度PCB汚染物には「微量PCB汚染物」と「低濃度PCB含有汚染物」の2種類があります。
微量PCB汚染物とは「微量PCB汚染絶縁油によって汚染されたもの」です。

低濃度PCB含有汚染物とは、「PCB濃度が100,000mg/kg以下の汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類」または「金属くず、陶磁器くず、コンクリート破片等の不要物に付着したもののPCB濃度が5,000mg/kg以下のもの」を指します。主に固形物です。

低濃度PCB処理物

低濃度PCB処理物には「微量PCB処理物」と「低濃度PCB含有処理物」の2種類があります。
微量PCB処理物とは「微量PCB汚染絶縁油や微量PCB汚染物を処分するために処理したもの」です。

低濃度PCB含有処理物とは「PCB廃棄物を処分するために処理したもので、PCB濃度が5,000mg/kg以下のもの」を指します。金属くず等の場合は、付着物のPCB濃度が5,000mg/kg以下のものです。

低濃度PCB廃棄物の測定方法

低濃度PCB廃棄物の処理を行うには、事前に低濃度PCB廃棄物中のPCB濃度等を確認する必要があります。

対象となる試料および試験方法について

象となる試料は以下の通りです。試験方法別に記載しています。

【含有量試験】

紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類(合成樹脂くず、合成ゴムくず等)
廃活性炭
汚泥
廃ノーカーボン紙
塗膜くず
廃シーリング材

【表面拭き取り試験】

廃プラスチック類
金属くず

【表面抽出試験】

金属くず
コンクリートくず

試験の流れ

試験のおおまかな流れについて、「紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類(合成樹脂くず、合成ゴムくず等)」の含有量試験を例として紹介します。
こちらは水分を多く含んでいない試料の場合です。

サンプリング → 試料 → 粗粉砕・縮分(必要に応じて) → 粉砕(細断)
→ 試験試料秤量 → 超音波抽出 → ろ過 → 脱水→ 濃縮
→ 試料溶液 → 前処理、定量

前処理、定量は、絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第3版)に定める簡易定量法または厚生省告示第192号別表第二に定める方法に従って行われます。

低濃度PCB廃棄物の処理の流れ

低濃度PCB廃棄物の処理は、低濃度PCB廃棄物の無害化処理認定施設で行う必要があります。
事前にPCB含有量を測定し、濃度が上限値以下であることを明らかにしてから、以下の流れに沿って処理を行いましょう。

低濃度PCB廃棄物の処分期限は2027年3月31日までとなっているため、期限内に処理できるよう計画的に手続きを進める必要があります。

情報開示

廃棄物を処理する前には、必要な書類を提示する必要があります。
1つは、「PCB廃棄物の保管及び処分状況等届出書」の写しです。この届出書は、毎年6月に各自治体に提出しているものになります。
もう1つは、「電気機器の絶縁油の分析結果」の写しです。こちらは、分析機関に依頼したものになります。その他、処理業者から記入・提出するように言われている書類があれば用意しておきましょう。

現地確認

作業現場にて、機器の保管状況や、機器の大きさ等を確認します。
ここから、作業車両や必要な人員、工具の確認を行い、作業手順の計画を立てていくという流れです。現地確認で廃棄物の受け入れ可否が判断できない場合は、サンプルを提出しなければならない場合もあります。

収集運搬・処理先の決定

排出事業者(お客様)の所在地から適切な処理先を決定し、収集・運搬ができる会社を選定します。
そこから、運搬計画や作業マニュアルを作成していく流れです。合わせて、緊急時の対応マニュアルや消防申請用書類なども作成し、安全に作業を進められるようにしていきます。

解体・分解・搬出

運搬計画に沿って作業が行われます。場合によっては、現地で解体・分解を行うこともあるそうです。微量PCB汚染廃電機機器が大きく、そのまま搬出することが困難な場合などは、そのような対応になります。現地で解体した場合は、専用の密閉容器に収納し搬出するという流れです。

まとめ

低濃度PCB廃棄物を処理するためには、事前の測定が必要になるので専門の業者にお問い合わせください。

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