PCB廃棄物を所有している方は必見!保管方法など気になる点についてご紹介

PCB廃棄物保管方法 PCB

所有地にPCB廃棄物があり処分したいけれど、どのような行動を起こせばいいのかわからない!
という方もいらっしゃるかもしれません。
PCB廃棄物を適切に処分するためには、確認しなければならない法律や条例があります。

今回は何を確認しなければならないのか、処分するまでの間の保管方法はどのようにしたらいいのかといった処分する際に知っておきたいことを詳しく解説いたします。

所有地にPCB廃棄物がある場合どうしたらいい?

法令や条例に該当するか確認する

所有する土地にPCB廃棄物の存在が認められた場合、自らの責任において法令や条例に則り適切に対処する必要があります。
PCB廃棄物を確実に破棄するか、または製品から除去するように努めなければなりません。

PCB廃棄物の処分に関する法令や条例について以下のことが定められています。

①ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特別措置法)
②廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

それぞれの概要は次のとおりです。

ポリ塩化ビフェニル廃棄物の正しい処理に関する特別措置法(PCB特別措置法)

主に高濃度PCB廃棄物が対象となり、PCB保管時の届け出や保管状況の公表、その他PCB廃棄物に関する規制などです。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

一般廃棄物または産業廃棄物における廃棄物処理方法を規制した法律で、爆発性、毒性、感染性があり、生活や健康への被害を生ずる恐れのある性状を有するもの。
ここでいう低濃度PCB廃棄物が該当します。

ほかにもダイオキシン類対策特別措置法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、また、保管場所の都道府県や市町村の条例などの規制を受けることもあります。

PCB濃度を調べて適切に処分する

PCB廃棄物の処分方法や廃棄期限は、PCB濃度によって異なります。

高濃度PCBが検出された廃棄物は、定められた期間内にJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)に処分を委託しなければなりません。

低濃度PCB廃棄物の処分は、民間の無害化処理認定施設または都道府県知事等許可施設に委託することができます。

処理義務違反をした場合

PCB廃棄物の処分が適切に行われなかった場合、PCB特別措置法に則り、行政指導や助言、改善命令が下されます。また、事業所の相続や合併などでPCB廃棄物を承継した場合、その事実を届け出ることも定められています。
PCB廃棄物の不法投棄や第三者に譲渡することは禁止されており、違反すると罰則が科されます。

PCB廃棄物はどのように保管する?

保管基準

PCB廃棄物を保管する際は適切な措置をとらなければなりません。
(廃棄物処理法第12条2の2、廃棄物処理法施行規則第8条13)

保管方法

  • 特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物)が保管場所から流出・飛散・地下浸透、悪臭が発散しないような措置を講ずる
  • 特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物)内にほかの物(ネズミや害虫)が混入しないよう仕切りを設ける、またはそれに相当する対策を講ずる
  • 特別管理産業廃棄物であるPCB汚染物または処理物は容器に入れ密封する。また揮発防止や高温下にさらされないための措置を講ずる
  • PCB汚染物または処理物が腐食しないための措置を講ずる

保管場所

  • 雨水などにさらされない場所で周囲が囲われている場所
  • 容器に特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物)の種類、管理者の名称、連絡先とともに、そこが保管場所であることを表示する(掲示板を設置する場合は、縦横60㎝以上であること)

保管期限

PCB廃棄物の処理期限はストックホルム条約により2028年(令和10年)までとなっています。
これをもとに日本国内ではPCB特別措置法において2027年(令和9年)までを処理期限としています。

高濃度PCB廃棄物の処理施設は全国に数か所あり、計画的に処理を進めるよう種類や保管場所がある地域ごとに処理期限がありましたが、2023年3月31日をもって処理期間の完了を迎えました。
2024年現在は北海道(室蘭)、東京及び豊田(愛知)の3か所のみが受入可能となっており、事業終了準備期間として処分期限は2026年3月31日までとなっています。

低濃度PCB廃棄物の処理期間は2027年(令和9年)3月31日までになります。
PCB廃棄物の保管期限は処分期限内となります。

高濃度PCB廃棄物処分期限[事業終了準備期間]

<安定器および汚染物等>

北海道(室蘭)エリア 2026年(令和8年)3月31日まで

 ※一部東京エリアも受入化

<変圧器・コンデンサー>

北海道(室蘭)エリア 2026年(令和8年)3月31日まで

東京エリア      2026年(令和8年)3月31日まで

豊田(愛知)エリア  2026年(令和8年)3月31日まで

PCB廃棄物を処分する際に知っておきたいこと

低濃度PCB機器と高濃度PCB機器を分類するには?

PCBの含有や濃度は、各機器の銘板に記載されている形式や表記などから判別することができます。
また、製造メーカーの業界団体である一般社団法人・日本電機工業会のホームページや、直接製造メーカーに問い合わせることで確認できます。

油漏れしている場合

JESCOではPCBを含んだ油が容器から漏れている場合でも、処理を引き受けてくれます。
漏れている状態によっては適切に処理が行えなくなるため、委託契約を結んだ時点で確認となります。

また、保管容器が法令上認められた容器でない場合は運搬ができなくなるため、PCB廃棄物と容器を分けて運搬する必要があります。

PCBが含有しているか不明なものは処分可能?

JESCOでは高濃度のPCB含有が認められた廃棄物しか処分することができません。
性状が明確でない場合は、専門機関への分析が必要になります。

まとめ

法律で定められた期限までにPCB廃棄物を適切に処分するためには、事前に成分分析を済ませておくことが求められます。
株式会社IMICではPCBの成分分析を取り扱っております。また、提携する民間機関への低濃度PCB廃棄物の運搬処分も手掛けておりますのでご相談ください。

株式会社IMICが運営する検査分析ポータルサイト・分蔵検蔵では、日本全国でPCBの検査分析を承っております。
絶縁油、塗膜、ケーブル、シール材、ウエス、排水等のPCB汚染物の現地調査及び分析を取り扱うと同時に、提携する民間機関によるPCB廃棄物の運搬処分まで 手掛けております。

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