「もしも自分の住んでいるところが土壌汚染されていたら?」
“築地市場の豊洲移転問題”で土壌汚染問題が世間を揺るがす中、「出来ることなら自分の土地を調査して汚染の有無を確かめたい」と考えている人も多いでしょう。土壌が有害物質に汚染されている場合、健康被害や資産リスクなど、あらゆる問題が発生します。そこで今回は、土壌汚染の調査をするなら、何を目的に調査を行うかのアンケートをとり、土地調査に関するニーズを探ってみました。この調査を通して、土地所有者が抱えるさまざまな懸念や不安事が浮かび上がってきました。
Q:土壌汚染が騒がれる中、個人で持っている周辺の調査出来るなら、何を目的に調査を行いたいですか?
アンケート結果
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1位:健康被害 57%
2位:汚染数値や物質 32%
3位:その後の対策 8%
第1位:健康被害
- 健康被害が出るほど土壌汚染がひどければ、そこに住み続けるか検討すると思う。(広島県・49歳・女性)
- なんだかんだ体は大切なので、土壌汚染による健康に与える影響について詳しく知りたいから。(千葉県・28歳・男性)
- 小さな子供がいるから健康被害については特に注意したい。(千葉県・20歳・女性)
- いちばん身近な問題であり、個人的な対策の必要性があるのかどうかを見極めたいから。(福島県・33歳・女性)
- 子どもの健やかな成長を阻害するような環境では生活したくない。(東京都・50歳・男性)
- 体に影響があることが一番怖いので、そこにいても大丈夫なのかどうか知りたい。(北海道・53歳・男性)
一言コメント(第1位)
半分以上の人が、健康被害を目的とした調査を望んでいます。やはり、健康は自分の問題だけでなく、同居している両親や子どもなど、家族全体の問題ともいえます。とくに小さな子どもを抱えている家庭では、その心配がつきないようです。
第2位:汚染数値や物質
- 全く汚染されていないとは限らないと思うので、数値や何の物質に汚染されているか知りたい(兵庫県・32歳・女性)
- 健康被害には影響しなくても実際にはどのくらいの汚染物質が存在しているのかを知りたいです。(広島県・58歳・女性)
- 今後土地を売ることを考えると汚染数値や汚染物質は売り値に直結すると思うから。(京都府・48歳・男性)
一言コメント(第2位)
汚染物質やその数値を具体的に知りたいという人も3割いることが分かりました。どんな有害物質が含まれているかで、汚染状況や健康リスクも変わってきます。有機化合物などの汚染物質は目に見えるものではないので、調査して確かめたいというのが正直な心情でしょう。
第3位:その後の対策
- 地盤がしっかりしているかどうか。土砂崩れや液状化の影響を受けるような土地ではないか。(広島県・58歳・女性)
- 土壌汚染があったとして、どう対処してくれるのかを知りたいから。(東京都・48歳・男性)
- どういった問題があろうが対策がなければ知っても意味がない。(兵庫県・56歳・男性)
- 不動産物件を購入する際に汚染が見つかった場合、値引き交渉の材料に利用する。(京都府・46歳・男性)
一言コメント(第3位)
具体的にどのような対策をとれば汚染状況が改善するのか、知ることも大切ですよね。調べて終わりではなく、その後の対策が不可欠なのはいうまでもありません。その措置の方法について、もっと認識が広まれば、土壌汚染調査への意識ももっと高まることが予想されます。
まとめ考察
今回のアンケート結果で、土壌汚染調査の意識が高いことが分かりました。とくに調査を行いたい理由として多かったのが、健康被害の問題です。土壌が汚染されれば、有害物質が雨水と一緒に染みこんで地下水をも汚染してしまいます。生活用水への影響は計り知れず、とくに小さなお子さんを抱える家庭の不安は大きいでしょう。
土壌汚染調査に対する意識が高い一方で、具体的な調査方法があまり認知されていないことは、今後の課題といえるでしょう。土壌汚染のリスクを認識し、その調査や対策を積極的に進めていくためには、法律や対策法に関するリテラシーを高めていく努力が必要不可欠といえます。個人で土地を売買する際は、自主的に情報を集め、自らリスク管理に努める姿勢も大事といえるでしょう。
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