ノロウイルスが流行しだすのは9月から!

検便検査

 

ノロウイルス等による感染の流行

ノロウイルスは、秋から冬にかけて猛威を振るう感染症です。きわめて強い感染力を持っていて、経口感染や飛沫感染など、あらゆる媒介を通して人に感染し、一気に広がりを見せることから、時期になると医療機関や各自治体が注意を呼びかけます。
ノロウイルスの流行が始まる時期ですが、早くて9月頃からその兆しが見えてくるともいわれます。9・10月頃より増え始め、1月~3月にピークを迎える傾向にあります。夏が終われば気温が下がり、空気も乾燥しやすくなりますので、9月くらいからノロウイルス防止に向け、衛生管理を徹底することが望ましいでしょう。
ちなみに、“流行警報基準”を超えると、東京都の福祉保健局より、ウィルスの流行・感染拡大を知らせる警報が出されます。流行警報基準とは、医療機関から保健所へ感染患者報告数が届けられ、その数が1週間に20人を超えた保健所の管内人口の合計が、東京都の人口全体の30%を超えた場合、広く都民に対して注意喚起を行うものです。
ノロは、学校や施設の中で1人でも感染者を出してしまうと、あっという間に集団感染へと発展してしまいます。食品を取り扱う業者が感染源にもなるケースも多く、注意が必要です。

食品製造施設等によるノロウイルス対策

食品製造の現場ではとくに、ノロ対策が重要視されます。従業員1人が感染すれば、食品を介して施設の入所者や学校の児童たちに感染が拡大する怖れがあるからです。そのような観点から、食品会社はノロウイルス防止の対策基準を明確に定める必要があるでしょう。
製造業者が独自にマニュアルを定めて対策をとることも大事ですが、それ以前に全ての会社が共通して守るルールがあります。厚生労働省が定めた「大量調理施設衛生管理マニュアル」がそれに当たります。その中にある衛生管理に関するマニュアルを要約すると、

  • 調理従事者に月に1回以上の検便を受けさせる。また必要に応じて10月から3月にはノロウイルスの検査を含めることが望ましい。
  • 調理従事者が嘔吐、下痢、発熱などの症状がある場合、作業に従事させてはならない。
  • 細菌感染が認められた調理従事者は、リアルタイムPCR法などの高感度の検便検査を受け、菌の保有が認められないと分かるまで業務を控えさせること。

また、責任者の管理・指導とは別に、従業員個人が健康管理を守り、感染予防を心がける意識も大切です。手洗いをしっかり行うことや、手袋・マスクの正しい活用など、基本的なことを守るだけでも感染対策・二次汚染防止につながります。発熱や下痢など、いつもと違う体調の異変を感じたら、無理をせず回復するまで休養することも対策の一つでしょう。
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