保健所も納得!食品工場・セントラルキッチン衛生管理とは

食品工場・セントラルキッチン衛生管理 食品衛生管理

食品工場やセントラルキッチンを運営する上で、衛生管理は避けて通れない重要な課題です。
保健所の検査で指摘を受け、営業停止になってしまうケースも少なくありません。

この記事では、衛生管理の重要性から施設・食品・従業員それぞれの衛生管理の具体的な対策を徹底解説します。特にセントラルキッチン特有の複数店舗への配送や温度管理、衛生管理マニュアル作成についても詳しく解説。この記事を読めば、食品工場やセントラルキッチンの衛生管理を万全ににするための基本を押させることができます。

ケンサくん
ケンサくん

食品流通の幅が広がって、セントラルキッチンを活用する飲食店もが増えているね!

ブンセキちゃん
ブンセキちゃん

作り置きや健康に配慮したメニュー展開が魅力的!

調理済みのチルド食品や冷凍食品を頼むことも増えたよ

ケンサくん
ケンサくん

食品工場やセントラルキッチンの衛生管理についてまとめてみたよ!

食品工場とセントラルキッチンにおける衛生管理の重要性

食品工場とセントラルキッチンは、私たちが口にする食品を製造・加工する重要な施設です。そのため、衛生管理を徹底することは、食の安全を守り、消費者の健康を守る上で必要不可欠です。
衛生管理が不十分であれば、食中毒の発生や異物混入といった重大な問題を引き起こし、企業の信頼失墜、事業継続の危機、法的責任の追及など、深刻な事態を招く可能性があります。食品の安全性を確保し、消費者の信頼を得るためには、徹底した衛生管理体制の構築と運用が不可欠なのです。

衛生管理の目的

衛生管理の目的は、食中毒や異物混入などの食品事故を未然に防ぎ、安全な食品を消費者に提供することです。具体的には、以下の3つの目的が挙げられます。

  • 消費者の健康保護:食中毒の発生を防止し、消費者の健康を守ります。
  • 食品の品質保持:微生物の繁殖や腐敗を抑制し、食品の品質を維持します。
  • 企業の信頼性向上:安全な食品を提供することで、企業の社会的責任を果たし、信頼性を高めます。

食品工場とセントラルキッチンの衛生管理における共通点と相違点

食品工場とセントラルキッチンはどちらも食品を扱う施設ですが、その規模や役割には違いがあります。そのため、衛生管理においても共通点と相違点が存在します。

項目食品工場セントラルキッチン
規模大規模から小規模まで様々比較的小規模
役割大量生産複数店舗への供給
衛生管理の重点製造工程における衛生管理調理・加工から配送までの衛生管理

共通点としては、どちらも食品衛生法に基づいた衛生管理が求められることが挙げられます。具体的には、施設の清潔保持、従業員の衛生教育、検便検査の実施などが義務付けられています。相違点としては、セントラルキッチンは複数店舗への配送を行うため、温度管理や輸送中の衛生管理に特に注意が必要となります。また、製造する食品の種類や規模によっても、衛生管理の重点が異なります。

衛生管理の法的根拠

食品工場とセントラルキッチンの衛生管理は、食品衛生法に基づいて実施されます。食品衛生法は、食品の安全性を確保し、国民の健康を保護することを目的とした法律です。違反した場合には、営業停止処分や罰金などの厳しい罰則が科せられます。食品衛生法の遵守は、事業者にとって必須の事項です。厚生労働省のウェブサイトで食品衛生法について詳しく確認できます。厚生労働省 食品衛生

衛生管理の重要性のまとめ

食品工場とセントラルキッチンにおける衛生管理は、消費者の健康保護、食品の品質保持、企業の信頼性向上のために非常に重要です。食品衛生法を遵守し、徹底した衛生管理体制を構築・運用することで、安全な食品を提供し、社会的な責任を果たすことができます。衛生管理は、事業の持続可能性にも関わる重要な要素であることを認識し、積極的に取り組む必要があります。

食品衛生法と保健所の役割

食品衛生法は、食中毒の発生を防止し、国民の健康を守ることを目的とした法律です。食品の製造、加工、調理、販売など、食品を取り扱うすべての事業者に対して、衛生的な管理を義務付けています。この法律に基づき、保健所は食品衛生の監視指導を行う役割を担っています。

保健所は、各自治体に設置され、地域住民の健康を守るための様々な業務を行っています。食品衛生に関しては、以下の役割を担っています。

保健所の主な役割

  • 営業許可:食品を取り扱う営業を開始する際には、保健所から営業許可を受ける必要があります。保健所は、施設の構造設備や衛生管理体制などを審査し、基準を満たしているかを確認します。
  • 定期的な検査:保健所は、営業許可を受けた施設に対して、定期的に衛生検査を実施します。検査項目には、施設の清潔さ、食品の保存状態、従業員の衛生管理などが含まれます。検査の結果、問題点が発見された場合は、改善指導が行われます。
  • 苦情対応:食品衛生に関する苦情や相談を受け付け、調査や指導を行います。
  • 食中毒発生時の対応:食中毒が発生した場合、原因究明や感染拡大防止のための対策を行います。
  • 衛生教育:食品衛生に関する知識の普及啓発活動や、食品取扱者に対する講習会などを実施します。

食品衛生法で規定されている主な事項

項目内容
営業許可食品を取り扱う営業を行うには、都道府県知事または保健所設置市の市長などの許可が必要です。
衛生管理食品の製造、加工、調理、販売などの各段階において、衛生的な取扱いが義務付けられています。
施設基準食品を取り扱う施設は、一定の構造設備基準を満たす必要があります。
従業員の衛生管理食品を取り扱う従業員は、健康診断や検便検査の実施、手洗いなどの衛生管理が義務付けられています。
表示食品には、名称、原材料名、賞味期限などの表示が義務付けられています。
添加物食品に添加できる添加物とその使用基準が定められています。

食品衛生法と保健所の役割を理解し、適切な衛生管理を行うことは、食中毒の予防に不可欠です。事業者は、食品衛生法の規定を遵守し、保健所の指導に従う必要があります。消費者は、食品を購入する際には、衛生状態に注意を払い、安全な食品を選ぶように心がけることが重要です。食品衛生法に関するより詳細な情報は、厚生労働省のウェブサイトを参照してください。

衛生管理の具体的な対策

食品工場やセントラルキッチンでは、食中毒発生のリスクを最小限に抑えるため、徹底した衛生管理が不可欠です。ここでは、施設、食品、従業員の3つの観点から具体的な対策を解説します。

施設の衛生管理

施設の衛生管理は、食中毒の原因となる細菌やウイルス、異物の混入を防ぐための基礎となります。

建物の構造と設備

建物は、食品の安全性を確保するために適切な構造と設備を備えている必要があります。壁や床は清掃しやすい素材を使用し、排水溝は詰まりを防ぐ構造にすることが重要です。
また、換気システムを適切に設置し、温度や湿度を管理することで、カビや細菌の繁殖を抑制します。さらに、異物混入を防ぐため、窓や換気口には防虫網を設置する必要があります。

清掃と消毒

清掃は、目に見える汚れだけでなく、目に見えない細菌やウイルスも除去するために重要です。清掃は毎日実施し、特に食品と接触する部分は重点的に行います。消毒は、清掃では除去できない微生物を殺菌するために実施します。使用する洗剤や消毒剤は、食品衛生法で認可されたものを使用し、適切な濃度と時間で使用する必要があります。厚生労働省が推奨する食中毒予防のポイントも参考になります。

害虫駆除

害虫は、食品を汚染したり、病原菌を媒介したりする可能性があるため、徹底的な駆除が必要です。定期的に害虫駆除業者に依頼し、駆除剤の散布やトラップの設置などを行います。
また、害虫の侵入経路を特定し、侵入を防ぐ対策を講じることも重要です。効果的な害虫駆除の方法についてはこちらをご覧ください。

食品の衛生管理

食品の衛生管理は、原材料の受入から最終製品の出荷まで、すべての工程において細心の注意を払う必要があります。

原材料の受入と保管

原材料は、納入業者から受け入れる際に、品質や温度、賞味期限などを確認し、適切な方法で保管する必要があります。冷蔵庫や冷凍庫は、適切な温度に設定し、定期的に温度チェックを行うことが重要です。先入れ先出しを徹底し、古いものから使用することで、食品の劣化や腐敗を防ぎます。

調理工程の衛生管理

調理工程では、加熱処理や冷却処理などを適切に行い、細菌の増殖を抑制する必要があります。また、異なる種類の食品を扱う場合は、器具や調理台を適切に洗浄・消毒し、交差汚染を防ぐことが重要です。厚生労働省によるHACCPに関する情報も役立ちます。

食品の保存と輸送

調理済みの食品は、適切な温度で保存し、速やかに輸送する必要があります。輸送中は、温度管理を徹底し、食品の劣化や腐敗を防ぐことが重要です。配送用の車両は清潔に保ち、食品を安全に輸送できる状態を維持する必要があります。

従業員の衛生管理

従業員は、食中毒の原因となる細菌やウイルスを保有している可能性があるため、衛生管理を徹底する必要があります。

健康診断と検便検査

従業員は、定期的に健康診断と検便検査を受け、健康状態を確認する必要があります。感染症の疑いがある場合は、就業を制限し、適切な医療機関を受診させることが重要です。

手洗いと消毒

手洗いは、食中毒予防の基本です。石鹸と流水で丁寧に手を洗い、清潔なタオルで拭く必要があります。また、調理前やトイレの後など、必要に応じて手指消毒剤を使用します。正しい手洗いの方法についてはこちらを参照ください。

作業着の衛生管理

作業着は、清潔なものを着用し、定期的に洗濯する必要があります。食品と接触する可能性がある場合は、エプロンや帽子などを着用し、異物混入を防ぐことが重要です。また、作業着は、他の衣類とは分けて保管し、清潔な場所で管理する必要があります。

衛生管理の記録と保存

食品工場やセントラルキッチンでは、衛生管理の状況を記録し、適切に保存することが法令で義務付けられています。記録は、万が一食中毒などが発生した場合の原因究明や再発防止に役立つだけでなく、日々の衛生管理の改善、保健所検査へのスムーズな対応にも繋がります。また、記録を残すことで従業員の衛生意識の向上も期待できます。

記録すべき項目

衛生管理の記録は、食品衛生法に基づき、以下の項目を網羅する必要があります。記録方法は紙媒体でも電子媒体でも構いませんが、改ざん防止の観点から電子記録が推奨されています。

項目内容記録頻度
施設の衛生管理清掃・消毒記録(実施日時、場所、担当者、使用薬剤)、害虫駆除記録(実施日時、場所、業者名、使用薬剤)、設備点検記録(実施日時、点検項目、結果、担当者)、温度・湿度記録毎日、または必要に応じて
食品の衛生管理原材料の受入記録(受入日時、品名、数量、供給者、温度)、保管記録(保管場所、温度)、調理工程記録(調理日時、担当者、温度、時間)、食品の保存記録(保存場所、温度、期限)、輸送記録(輸送日時、温度、配送先)ロットごと、または必要に応じて
従業員の衛生管理健康診断結果、検便検査結果、手洗い・消毒記録(実施日時、担当者)、作業着の洗濯・交換記録個人ごと、定期的に

記録の保存期間

記録は、食品衛生法で定められた期間、適切に保存する必要があります。保存期間は記録の種類によって異なりますが、一般的には1~2年間です。具体的な保存期間については、厚生労働省のウェブサイトなどで確認できます。

保存方法

記録は、誰でも見やすく、取り出しやすいように整理・整頓して保存する必要があります。また、紛失や改ざんを防ぐために、適切な管理体制を構築することが重要です。電子記録の場合は、バックアップを定期的に取得し、安全な場所に保管しましょう。

記録を活用した衛生管理の改善

記録は、単に保存するだけでなく、衛生管理の改善に役立てることが重要です。定期的に記録を見直し、問題点や改善点を洗い出し、具体的な対策を講じることで、より効果的な衛生管理を実現できます。例えば、温度管理記録を分析することで、温度管理の不備を早期に発見し、食中毒のリスクを低減することができます。

また、従業員への教育資料として活用することで、衛生意識の向上を図ることも可能です。記録に基づいた具体的な事例を共有することで、従業員の理解を深め、より実践的な衛生管理につなげることができます。

適切な記録と保存は、食品工場やセントラルキッチンの衛生管理にとって不可欠な要素です。法令を遵守し、適切な記録と保存を行うことで、食の安全を守り、消費者の信頼を勝ち取ることができます。記録システムの導入や専門家のアドバイスを活用するなど、積極的に取り組むことをおすすめします。

セントラルキッチン特有の衛生管理

セントラルキッチンは、複数店舗への配送を前提とした大規模な調理施設であるため、一般的な食品工場とは異なる衛生管理上の課題が存在します。ここでは、セントラルキッチン特有の衛生管理のポイントを解説します。

複数店舗への配送における衛生管理

セントラルキッチンで調理された食品は、複数の店舗に配送されます。そのため、配送中の温度管理や衛生管理が非常に重要です。配送中に食品の温度が適切に管理されていないと、食中毒のリスクが高まります。また、配送車両の衛生状態も重要です。車両内を清潔に保ち、定期的に消毒を行う必要があります。

温度管理と輸送時の衛生対策

温度管理はセントラルキッチンの生命線です。 保冷車や定温輸送など、適切な温度帯を維持できる輸送方法を選択しましょう。温度記録計を設置し、配送中の温度変化を常に監視することも重要です。厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」も参考に、適切な温度管理を行いましょう。厚生労働省 大量調理施設衛生管理マニュアル

さらに、輸送容器の衛生管理も徹底する必要があります。 使用前後の洗浄・消毒はもちろんのこと、材質にも注意が必要です。食品の種類によっては、容器からの溶出や臭い移りなどが発生する可能性があります。適切な材質の容器を選び、常に清潔な状態を保つようにしましょう。

配送担当者への衛生教育も欠かせません。 食品衛生に関する知識や、適切な取り扱い方法を理解している必要があります。定期的な研修を実施し、衛生意識の向上を図ることが重要です。

温度管理と保存方法

セントラルキッチンでは、大量の食品を保管するため、適切な温度管理と保存方法が重要です。保管温度が適切でないと、食品の腐敗や食中毒のリスクが高まります。また、保存方法も重要です。食品の種類に合わせて適切な保存方法を選択する必要があります。

チルド・冷凍庫の管理と適切な保存方法

チルド・冷凍庫の温度管理は厳格に行う必要があります。 定期的な温度チェックを行い、適切な温度帯を維持するようにしましょう。温度計を設置し、温度変化を記録することも重要です。また、庫内を整理整頓し、食品の出し入れをスムーズに行えるようにすることで、庫内の温度変化を最小限に抑えることができます。食品ごとに適切な保存温度と保存期間を定め、FIFO(先入れ先出し)方式で管理することで、食品の劣化を防ぎましょう。

食品の種類適切な保存温度保存期間の目安
肉類0~5℃3~5日
魚介類0~5℃1~2日
野菜類5~10℃3~7日

上記はあくまで目安であり、食品の種類や状態によって適切な保存温度や保存期間は異なります。詳しくは東京都福祉保健局 HACCP支援マニュアルなどを参照してください。

衛生管理マニュアルの作成と運用

セントラルキッチンでは、衛生管理マニュアルを作成し、従業員に周知徹底することが重要です。マニュアルには、衛生管理に関する規定や手順を明確に記載する必要があります。また、定期的にマニュアルを見直し、改善していくことが重要です。

マニュアル作成のポイントと従業員教育

衛生管理マニュアルは、セントラルキッチンにおける衛生管理の基盤となるものです。 マニュアルには、施設の衛生管理、食品の衛生管理、従業員の衛生管理など、セントラルキッチンにおけるすべての衛生管理項目を網羅する必要があります。各項目について、具体的な手順やチェックリストなどを記載することで、従業員が迷うことなく衛生管理業務を行えるようにしましょう。また、写真やイラストなどを活用することで、より分かりやすいマニュアルを作成することができます。

作成したマニュアルは、従業員に周知徹底する必要があります。 定期的な研修やミーティングなどを開催し、マニュアルの内容を理解させ、実践できるようにしましょう。また、従業員の意見や改善提案を積極的に取り入れ、マニュアルを常に最新の状態に保つことが重要です。マニュアルに基づいた衛生管理を徹底することで、食中毒のリスクを低減し、安全な食品を提供することができます。

マニュアル作成の参考資料として、食品衛生管理の手引などを活用すると良いでしょう。

まとめ

食品工場やセントラルキッチンにおける衛生管理は、食の安全を守る上で必要不可欠です。本記事では、基本となる衛生管理の重要性、具体的な対策などを解説しました。また、セントラルキッチン特有の複数店舗への配送や温度管理についても解説し、衛生管理マニュアル作成の重要性にも触れました。衛生管理を適切に行うことで、食中毒のリスクを低減し、消費者の信頼獲得、ひいては企業のブランドイメージ向上に繋がります。次の記事では、保健所基準を満たすための検便検査を始めとした具体的な対策、より強固な衛生管理体制構築のためのHACCP導入などについて解説します。

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