食品製造現場でのノロウイルス感染は避けられる?

食品衛生管理

食品の製造現場においても、ノロウイルスの感染には注意が必要です。驚異的な感染力を誇る病原体を水際で阻止するには、常に現場を清潔にする衛生管理はもちろん、製造に携わる従業員全員の定期的な検便体制が不可欠です。今回は、検便によってノロウイルスを防止することの重要性と、その具体的な対策について説明します。

厚生労働省で決められた食品製造のマニュアル

食品製造の現場では、厚生労働省が推奨し、近年幅広く取り入れられている「HACCP(ハサップ)」を心がけることにより、食中毒の原因となる食品汚染を防止し、製品が安全に食卓や消費者の手元に届くよう努力が払われています。 HACCPによる管理では、原材料やそれらの調合、熱処理、冷却から、包装、出荷に至るまで、全過程において確認と記録の作業を徹底。監視強化とデータ収集・分析を図ることにより、あらゆる細菌から常に食品を守っています。 そのHACCPの概念に基づいて厚生労働省が定めたマニュアルの重要事項が以下の項目です。
  • 原材料受入れ及び下処理段階における管理の徹底
  • 加熱調理食品については、中心部まで十分加熱し、食中毒菌等を死滅させること
  • 加熱調理後の食品及び非加熱調理食品の二次汚染防止の徹底
  • 食中毒菌が付着した場合に菌の増殖を防ぐため、原材料及び調理後の食品の温度管理の徹底
また、HACCPや公的マニュアルだけでなく、食品製造の現場では、製造業界の伝統的なルールを徹底する動きも盛んです。そのルールは5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)といわれ、衛生管理にとどまらず、異物混入を防止する安全対策でも効果を発揮しています。

ノロウイルス検査についての法的根拠は?

食品の製造会社や飲食店、学校給食の調理従事者には、定期的な検便検査を実施する義務が課せられています。その法的根拠は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」の中で明確に定められています。 その中で「 また、必要に応じ10月から3月にはノロウイルスの検査を含めることが望ましいこと」という規定があり、法的義務は無いものの、努力義務として規定されています。 実際、ノロウイルスに関しては、発生頻度の高い秋から冬にかけての検査に重点が置かれていますが、企業によっては毎月、定期的に菌保有のチェックをしているところもあります。法律を守るだけでなく、より高い意識で従業員と食品を食中毒菌から守るという自助努力と管理体制も必要といえるでしょう。]]>

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