土壌汚染調査の流れと土壌汚染対策

土壌汚染

土壌の汚染状況を確認するためには、順を追っての調査するのが一般的です。また、ある一定規模以上の土地の売買や開発を行う場合、法律にのっとった調査が必ず必要となりますし、調査により汚染が確認されれば、汚染された土壌を取り除くなり浄化させるなどの対策が求められます。
そこで今回は、どのような流れで調査と対策が行われるかについて説明します。

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土壌汚染調査の流れ

汚染土壌の調査では、まず調査計画書を作成し、それに基づいて地歴の調査や表層調査や詳細調査が実施されます。大まかなフローを説明すると、

「調査計画の立案」→「地歴調査」→「表土汚染調査」→「詳細調査」→「地下水のモニタリング」→「汚染対策の策定」

地歴調査とは、調査対象の土地の利用履歴を調べ、汚染の可能性を探る調査方法です。登記簿や住宅地図の他、写真撮影、環境に関するデータを集積して調査します。この段階で汚染の可能性がないと判定されれば調査終了、あると判定されれば表土の汚染調査へと進みます。

調査は住民への理解を得ながら確実に実行するため、計画書や報告書のクロスチェックを行い、万全な管理の下、進められます。とくに、事業者と住民の間のリスクコミュニケーションが調査から対策へと移る過程の中でもっとも大切といえるでしょう。

土壌汚染対策の流れ

土壌汚染対策法では、特定施設の廃止届出が必要なとき、汚染調査を義務づけています。そこで工事事業者が現場の地歴調査や土壌調査などを行い、確認された有害物質の濃度が基準値を超過して健康被害が生じる怖れがあると認められる場合、汚染土の除去など具体的な措置を講じる必要があります。

まず対策に入る前に、事業者や自治体には周辺住民に対して汚染された経緯や健康へのリスク、今後の汚染対策の進め方など、住民に対して積極的に必要な情報をオープンにする義務があります。これは事業者や自治体サイドが一方的に説明を行うのではなく、住民の方々のもっとも不安な点や気になる点に重点を起き、双方向でコミュニケーションをとる姿勢が求められるでしょう。いわゆるリスクコミュニケーションで、住民の理解を得るには必要不可欠なプロセスです。

土壌汚染の対策は、自治体や事業者だけでなく、土地の所有者や周辺の住民など、その土地に関わる全ての人たちが情報を共有し、安全なかたちで工事を進めていく必要があるでしょう。

また、具体的な措置・改良の方法も、汚染土の除去→健康な土への入れ替え、だけでなく、薬液を用いその場で改良してしまう工法や、汚染度をプラントで浄化させ再度埋め戻す方法など、汚染物質の種類や土地及び周辺状況を見極めたうえで、最適な手法を選択することも重要であると言えます。

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