食品製造の安全の責任と衛生管理-2

検便検査

食中毒の発生状況

食品を取り扱う者がもっとも注意したい食中毒。その発生状況は時期や流行菌によって異なります。 20160929-001 傾向として、食中毒は気温と湿度が上昇する夏場がもっとも多く、7・8月にピークを迎えるといわれます。しかし、ノロウィルスという新しい細菌が確認されてからは、気温の低い冬場でも予断を許さなくなり、季節を問わない食中毒対策が求められるでしょう。 私たち人間にとって脅威である食中毒は、目に見えない細菌や、身近に存在する食べ物が原因で引き起こされます。先に挙げたノロウィルスの他、O157やサルモネラ、黄色ブドウ球菌、またはキノコやフグ、生貝など。中には強力な感染力をもって猛威を振るうものもあり、保育園や学校、介護施設など、抵抗力の弱い子どもや高齢者が集まる集団や施設の中で感染が拡大する状況が見られます。 食中毒といっても、原因となるウィルスの種類によって予防法や対策、治療法は異なり、臨機応変に対応する姿勢が大切といえるでしょう。

従業員の教育について

正しい衛生管理の方法や食の安全を守るルールを作っても、それを実践し、日常化しなければ意味をなしません。これには、まず現場で製造業務に従事するスタッフの教育が必要不可欠です。 食品製造に関する基本的な知識はもちろん、製造業者が守るべきルールや法律の周知、あるいは食中毒の事例、その原因となる細菌に関する知識、予防や対策、発生したときの対処法など、日頃からしっかり教育し、いざとなったらスムーズに動ける体制を築くことが大切です。 会社内で研修や勉強会を定期的に開くこともいいですが、外部の講習会に積極的に参加するのも意義があるでしょう。とくにリーダーや幹部候補生といった現場を指揮・監督する役割を持った従業員は、資格取得なども含め、公的団体が主催する講習会に参加していろいろなものを吸収することも実りある教育といえるのではないでしょうか。 責任やルールは、存在するだけでは不十分です。きちんと実践し、よい結果を導くためにあるものと理解して、衛生管理のルール徹底と行動を現場にしっかりと根付かせましょう。]]>

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