食品製造の安全の責任と衛生管理-1

検便検査

食品製造者の責任

食の安全を守るという製造業者の道徳的・倫理的責任があるのはもちろん、“PL法”という法律に準じた社会的責任もしっかり果たす必要があります。たとえ自社内のルールや管理法に基づいて衛生管理を行っていたとしても、結果として汚染された食品を出荷してしまい、食中毒を起こしたり、異物混入を防げず口にした消費者に大きな被害をもたらしたりした場合、損害賠償請求されるケースも想定されます。 PL法における「製品の欠陥」の定義は、“製造物が通常有すべき安全性を欠いていること”となっています。製品に欠陥があったかどうかは、製造物の特性や製品を引き渡した時期など、さまざまな事情を考慮して個別具体的に判断されます。しかし、「拡大損害」という概念もあり、その定義は、“製造物の欠陥により生命・身体または財産に損害を被る”となっていて、例えば「食品の中に入っていた異物で歯が折れた」「化学物質に汚染された加工食品を食べてお腹を壊した」というケースでは、拡大損害として製造者の責任が問われることになるでしょう。 管理の面で落ち度がなくても、お客様の体の健康を害した場合、食品製造をあずかる立場として、その結果は重く受け止めなければなりません。食品事故による不幸を生まないためにも、食品製造業者は厳格な食品衛生のルールのもと、しっかり管理を行う必要があるでしょう。

食品製造の安全を確保するための3カ条

食品製造業者は、原材料の加工から製品の出荷に至るまで、「食品・環境・従業員」の3要素で衛生管理を徹底する姿勢が求められます。これを、「食品製造の安全を確保するための3カ条」として、それぞれどんな取り組みをすれば有効な対策が打てるのか、ポイントを説明します。

1.食品を取り扱う人が衛生的であること

食品製造に携わるスタッフの手洗い・マスクと帽子の着用、健康管理の徹底、定期的な検便検査の実施。

2.食品の衛生が守られていること

国際標準のHACCPを導入し、製造過程の食品を微生物汚染や化学物質汚染から守る。

3.施設が衛生的に管理されていること

5S運動(清潔・整理・整頓・清掃・躾)を取り入れ、食品を製造・保管する環境の衛生を守ると同時に、そのための教育を徹底する。 食品製造者の責任は、この3カ条を意識して衛生管理の徹底に励むことといっても過言ではありません。毎日の地道な取り組みが、お客様の健康を守ることにつながるのです。]]>

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