「土地を買う時の土壌汚染対策法に対する意識調査」
築地の移転問題をきっかけに、土壌汚染に対する関心が集まっています。そんな中で、「自分が住んでいる土地が汚染されていたら…」と不安になる方もいるでしょう。その一方で、「企業はともかく、個人で土壌調査なんてやる必要あるの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。そこで今回は、土地を買う時に土壌汚染調査をやってみたいか、アンケートを実施し、土壌汚染調査に関する意識調査を行いました。土壌汚染対策法に対する理解不足など、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。
アンケート結果
Q:土地を買う時に土壌汚染対策法を利用して土壌汚染調査をしようと思いますか?
1位:費用を負担してもらえるなら調査して欲しい 54%
2位:はい 21%
3位:土壌汚染対策法が分からない 21%
第1位:費用を負担してもらえるなら調査してほしい
- 全額負担とはいかなくても、購入後に土壌汚染対策を自腹で行わなければならないリスクを負うのであれば、多少は自己負担額があっても仕方がないとは思っています。(兵庫県・55歳・男性)
- 工場跡地などの土地を買わない限り安心していますが、放射能の問題もありますので、負担してもらえるのであれば調査してもらいたいです。(群馬県・51歳・男性)
- 全額とは言わず、少しでも負担してもらえるなら希望したい。(東京都・33歳・女性)
- 土壌汚染対策法について詳しくは知らないが、汚染されている土地かどうかは知りたい。(東京都・50歳・男性)
- 対策をとるのは賢明なことだと思いますが、実際に費用がかかってしまうと自分で負担できないと思うから(福岡県・48歳・女性)
- 実際に調査をするかといわれれば、たぶんしないと思うが、費用を負担してもらえるなら調査してもらった方が安心だと思う。(京都府・52歳・女性)
一言コメント(第1位)
自分の土地の土壌環境に不安を感じている方は多いものの、立ちはだかるのは、「コスト」の問題のようです。全額負担は無理でも、多少の支援があれば、「ぜひ調査をやってみたい」と思っている方が多いのが実情のようです。
第2位:はい
- 土壌汚染が酷いと後から判明した場合、転売が非常に難しくなると思うので少々の費用を自己負担する事になったとしても、購入前に予め絶対に調査をやっておくべきだと思うから。(兵庫県・36歳・男性)
- 子どもやお年寄りは被害を1番に受けると思うので、心配なので土壌汚染調査をしたいと思います。(福岡県・36歳・女性)
- 将来の土地の価格にも影響するので、必ず調査します。(石川県・49歳・女性)
一言コメント(第2位)
2割の方が、費用に関係なく、「土壌汚染調査をやりたい」と答えています。やはり先々のことを考えれば、土壌汚染のリスクを抱えたまま、住み続けるのは不安ですよね。健康面や資産価値など、トータルで考えて判断している方もいるようです。
第3位:土壌汚染対策法が分からない
- 今、土壌汚染が騒がれているものの、そのような法律があるとは知らなかったから(宮城県・37歳・女性)
- 土壌汚染対策法を初めて知ったので、どの様な対策法か知りたい。(広島県・36歳・男性)
- 土壌汚染対策法というのを知らないので、本やネットで調べたり、弁護士に相談したいと思う(埼玉県・42歳・男性)
一言コメント(第3位)
土壌汚染対策法について、詳しくないという人も2割にのぼりました。築地移転騒動を受けて、はじめて知ったという方もいるようです。調査を行うにしても、法律についてある程度知識がないとどう動いていいかわかりませんよね。
まとめ考察
土壌汚染調査をやってみたいと言う方は全体で7割以上にのぼることが今回のアンケート調査で分かりました。土壌汚染は目に見えるものではないので、汚染されているのかどうかは、詳しく調査してみないと分かりません。汚染調査には興味あるものの、やはり調査費用が大きな壁となっているようです。
土壌汚染調査は、土壌汚染対策法により、有害物質を扱う企業が工場などの利用を廃止する際、汚染調査を義務づけています。しかし、個人が土地の売買に伴い調査を行う場合は、自主調査となります。法律で義務づけられているものではないので、そこは買主や売り主の自主判断に任せるしかないというのが実情です。
土壌汚染対策法への認知度が低いのも課題の1つ。法律に対する理解が進めば、自主的に調査を行う人がもっと増えるかもしれませんね。
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