食品製造現場でノロウイルス感染が確認されたら?
食品製造がノロウイルスに感染された場合
食品製造現場でノロの感染者が発生したとき、怖いのはその被害が現場にとどまらず、商品出荷先にまで及ぶことです。実際に、発生源がパン製造会社の集団食中毒も起きているのです。
2014年の11月、浜松市立の小学校で1,000人以上が下痢や嘔吐などを訴え、病院へ搬送される集団食中毒が発生、15校が学校閉鎖に追い込まれました。原因は給食に出されたパンに付着したノロウイルスです。調査の結果、市内のパン製造会社の従業員4人からノロウイルスが検出されましたが、症状がなかったため、本人達は感染に気づくことなく製造業務に従事していたようです。ノロによる食中毒の被害がいかに簡単に拡大するか、その実態がよくあらわれた事例といえるでしょう。
万が一、便の検査でノロウイルスの感染が確認されたら、その従業員はしばらくの間、出勤させてはいけません。この菌は長いときには1ヶ月程度、便とともに排出されるともいわれます。感染者の職場復帰についてはその判断は難しいですが、腸内に菌が確実にいないと断定できるまで、出勤停止はやむを得ない措置といえるでしょう。感染確認から1週間から10日程度が一般的と言えます。
食品製造現場で集団感染が起こった場合
施設や学校での集団食中毒は、食品会社の製品を介して発生するケースがあります。食中毒の集団発生が起こったとき、具体的にどのような対応をとればいいのでしょうか?
手洗い、排泄物、嘔吐物の処理
ノロウィルスは、感染者の嘔吐物や排泄物からも簡単に感染します。そのため、それらを処理したあとは、しっかり手洗いを行うことがまず大事。石けんときれいな水で念入りに洗ってください。また、糞便や嘔吐物で汚れた場所は0.1%の次亜塩素酸ナトリウムできれいに拭くと効果的です。
患者を別室に移す
ウィルスに感染すると、激しい嘔吐に見舞われます。吐瀉物を介して感染が広がってしまうので、感染者を個室に移動させるなどの措置が必要です。発症したら自宅などでゆっくり療養に努めるようにしましょう。
食品製造現場で感染者が出た場合は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」にのっとり、体内の菌が完全になくなるまで一切業務につかせない措置をとることがまず大事。簡易検査では完全に検出するのが難しい場合もあるので、リアルタイムPCR法など、高精度で菌を発見できる方法で検査するようにしてください。
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