食べ物を提供する飲食店にとって、天敵なのが食中毒。しかし、食中毒の原因となる細菌は、飲食店にふさわしい環境作りを意識することで未然に防ぐことができるのです。そのために心がけたいのが、“クレンリネス”。この言葉の持つ意味を理解し、快適な環境整備に生かすことが食中毒に負けない飲食店を築き上げることにつながるのです。
クリンリネスとクレンリネスの違い
飲食店が日頃心がけたい言葉として、「クリンリネス」と「クレンリネス」があります。この2つの言葉の違いとは何でしょうか?整理してみましょう。
クリンリネスとは、「清掃をする」という意味。そして、クレンリネスは、「清潔な状態をキープする」という意味を持ちます。一見してどちらも同じ意味を持つ言葉のように感じますが、お客様の立場になって見てみると、この両者には明確な違いがあるのです。
つまり、「清掃をする」だけでは、その行為を意味するのみで、必ずしも清潔な状態が維持されているとは限りません。そのお店に足を運ぶお客様は、衛生環境の整ったきれいな場所で食事をしたり、ショッピングを楽しんだりしたいと考えるはずです。飲食店に勤務する方が心がけて欲しいのは、「クレンリネス」のほうになります。
菌が繁殖しやすい環境を作らないための温度調節
クレンリネスを実行に移すには、飲食店にとって適切な環境とは何かを理解する必要があります。その条件はいうまでもなく、「食中毒の原因となる菌を寄せ付けない環境」といえるでしょう。
人間にとっての快適な温度は、食中毒の菌にとっても最適であるといわれます。とくに25~35℃は、菌がもっとも増殖しやすい温度。時期的には、梅雨明けから夏にかけて、菌の発生と繁殖にもっとも注意を要します。
ただし、夏場だけ気をつければいいというわけでもありません。食中毒でもっとも注意したいといわれるのが、“健康保菌者”の存在で、健康な体であっても食中毒の菌を保有できます。抵抗力が勝っている状態であれば発症を防げますが、体力の落ちる夏場に感染が拡大する怖れがあるのです。隠れた菌を根絶するためには、季節を問わず検便検査などの定期検査を実施することが臨まれるでしょう。
]]>
コメント