食品製造における検便の必要性
食品製造業の検便実施の根拠
食品製造を手がける現場においては、環境面で衛生管理を徹底するだけでは足りません。従業員が常に衛生的な状態を保って業務に入る体制が求められます。
そこで重視したいのが、定期的な検便の実施です。食品取扱者の検便検査は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」や「学校給食衛生管理の基準」で明確に定められています。食品工場で働くスタッフは、健康状態に関わらず、月に一度は検便検査を実施する義務を課せられているのです。
さらに、これらのマニュアルではノロウィルスなどの食中毒の原因ともなる感染症に冒された後の対応も明記されています。つまり、細菌保有が確認されれば、出勤は許されず、体内の菌が完全になくなるまで業務につかせることはできません。法律や基本的なルールにのっとった取り組みが、衛生管理体制の確立につながるのです。
製造者の日常的な健康状態の維持
食品製造に関わるスタッフは、自身の健康状態を日常的に把握することに努めましょう。労働安全衛生法の規定では、「1年以内ごとに1回の定期健康診断を実施しなければならない」とあります。また作業内容によっては、特殊健康診断の実施も求められます。
高齢化社会を迎え、定年を超えた年齢で働いているスタッフも珍しくありません。いつ何時体調に異変を感じてもおかしくありませんので、高年齢に対応した従業員の健康管理も必要です。
その他、目には見えないメンタルヘルスのチェック、どんな細菌が隠れているか分からない便検査など、すみずみまで健康状態を調べ、自身で把握するように努める意識もまた大切です。
衛生管理は、環境と製品、それを作り上げる人間の3つの要素が揃って成立します。ルールは決めて終わりではなく、きちんと実行に移すことが大切。そのための教育や組織・体制の確立を重視し、安全な食品の製造を心がけてください。]]>
コメント